昭和30年頃から始まった高度成長時代に 市民の都市集中化が起こり,経済力のアップに伴って“持ち家思考”が生まれました。
歴史的に見ると 日本は賃貸住宅型で 経済力のある大家さんが借家を建て,そこに田舎からきた人が借りるというのが本流だったのです。今は亡き加藤大介主演映画の“大将”(だったと思うのですが)を見ていると愛媛の片田舎から出てきた主人公が 相場で商いし裕福になるに従って,間借り→借家→瀟洒な一軒家→
豪邸,そして それを手放すといった社会の縮図のようなものが描かれています。私は思うのですが,住宅というものは 本来 建てられる人がゆとりを持って建て,メンテナンスにもある程度お金をかけるというようなものではないかと思うのです。今 やすく建てることにより,日本人の美意識にも関わる“長押”“床の間”などが無い家が増えきている。寂しいことです。
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